営業のおしごと
こんちわ。さくらインターネット所属の @kiai_hissatsu です。これはさくらインターネット Advent Calendar 2018の6日目の記事です。
お前 is 誰
さくらインターネットというホスティング事業会社で、主に西日本を中心に営業活動をしている者です。大阪本社に務めています。
この10月で入社4年目になりました。最初はカスタマーサポートに居たんですが、顧客と電話で接している中でちょっと大きい案件をまとめたりして、能力を認められた感じで営業にクラスチェンジしました。
経歴としては、金融系システム*1のヘルプデスクとか、小規模案件のインフラエンジニアとか、オフコン上の30年前にCOBOLで書かれた生産管理システムを口半開きで保守したりする工場の社内SEとか、データ復旧サービスとか、そういう地味な仕事を転々としてました。
サーバ屋の営業とは(ワイの場合)
よく初めて会う人には「サーバ屋の営業さんてどんな仕事してるの?」と聞かれます。当社に限らずホスティングやクラウドなどのサービスは、今やその多くがオンライン上で契約できてしまうので、営業の仕事内容が想像しにくいと思います。
また、さくらはサービスを提供する会社で、受託開発を行いません。なのでいわゆるシステム案件を取って人月計算するようなIT系営業とも違います。
で、何をしてるのかと言うと、だいたいはこんな感じです。
サービスの説明をする
まぁ普通ですね。自社サービスなので仕様やら価格やらは一通り説明できるようにしてます。
というのも当社の営業活動は現状ではインバウンド営業がメイン*2なので、基本的には「聞かれて答える」というスタンスが多いのです。このへんは公式サイトからの問い合わせが増えるようがんばってくれている部署のみなさんに感謝感謝です。
まぁ説明だけならお客様が公式サイトを読めばいい話なのですが、「さくらのクラウド」くらい多機能なサービス*3になると一見どこに何が書かれているかわかんないレベルでドキュメントが大きくなってますし、「やりたいことをできるに変える」には具体的にどのサービスをつかえばいいのかがパッと見ではわかんなかったりするので、相談をしたいケースも多いわけです。
構成を作るお手伝いをする
で、そういった「やりたいこと」をヒアリングしていくうえで、ある程度大きい規模のサーバ案件になると、複数のサーバを組み合わせて構成することになります。実際に構成を決定するのはお客様なのですが、営業はそのお手伝いをします。
さくらのサービスはVPS、クラウド、専用サーバ、ハウジングなどがあり、それらを取りまとめて使うハイブリッド接続*4が可能です。例えば「DBは高いIOPSが出る専用サーバにしよう」「フロントのWebサーバはElasticに使えるクラウドにしよう」「ステージングは安価なVPSにしよう」「スタンバイサーバを別のリージョンに置こう」「そしてこれらを全部同じネットワークセグメントで扱おう」という要求に応えられます。
このように複数のサービスの中から、お客様にとって最適な構成をご提案差し上げるのが営業のお仕事の一つです。
営業電話をかける・案件をまとめる・アフターサポートをする
まぁ一般的な営業のお仕事ですね。いわゆるアウトバウンド電話とか、支払い関連の調整とか、障害対応とかメンテナンスの案内とか、そういうの。重要な仕事であり、日常業務の大半がこれなんですが、それほど面白い話でもないので流します。*5
イベントを手伝う
いわゆる展示会に出て商談対応をするやつですね。ブースの呼び込みとかもします。
変わったところでは、当社のお客様がサービスをどんな風に使っているのかを紹介するセミナーに登壇したりしました。VRサービスの紹介ではHMDを頭につけてみたり。
セミナー関連だと、私の担当顧客であるはてな様*6とtenki.jp様*7のカンファレンスイベントで司会したりしました。記事には載ってませんが。
あと最近はsakura.ioというIoTサービスのハンズオンセミナーで補助をやったりもしてます。大阪開催だとだいたいは参加してます。
昨年大阪本社がグランフロント大阪に移ってイベントスペースを構えたので、これを有効活用するような企画も考えんとなーって思ってます。*8
サービスを作る
当社のサービスは営業活動をする中で生まれてきたものも少なくありません。最近だと「AWS接続オプション」なんかがそうです。
お客様からのご意見をフィードバックしたり、お客様と当社のエンジニアが直接話す場をセッティングするのも、我々営業の大事な仕事だったりします。
必要なスキル
とまぁこのように、さくらの営業も裏方的なポジションですがいろいろやってます。なので求められるスキルもそれなりに多岐にわたります。
トークスキル
まぁ必要ですよね。とは言え私は基本陰の者なのでトークスキルは低いです。ここ一番弱いところ。
ITスキル
お客様の担当者はエンジニアであることが多いので、リテラシーはそれなりに維持する必要があります。特にクラウドだとネットワークは知らないといけないですね。
最近はコンテナが流行ってるので商談時の技術レイヤーが上がってきてますし、夏からIoTの部署に配属されたのでデバイスのお勉強も必要になってきてますし、GPUサーバの高火力シリーズを出している手前データサイエンス方面の人と会って知見を深めたりしてます。これだけ聞くとマルチスタックっぽくてエラそうですね。実際はpythonのコード書くのにひぃひぃ言ってるレベルですが。
業界動向の把握
ITスキルの延長線上にあるものです。当社はサーバインフラを提供する企業なので、ことIaaSの部分に関してはAWSやAzureなどのクラウドベンダーが競合になります。国外だけでなく国内でも競合はたくさんいます。なので他社の仕様や実力は可能な範囲で把握しておくべきでしょう。
「GCPのVPCは変態ですよね」みたいな話を振られて「リージョンまたいで1個のVPCならうちでもできますけど、全世界でそれやって内部の名前解決まで提供してるのは流石に意味不明っスね。DNSの同期どうしてんスかねあれ(オタク特有の早口)」くらいは返せるようになりたいと思ってます。
伝達力
お客様の声をどうやったらサービスに落とし込めるか、を考える部分ですね。単に顧客からのフィードバックを社内のエンジニアに右から左にするだけならuservoiceでもできるので、現実的な要望なのかを検討したり、エンジニアが実現しやすい形で要望を伝えたりとひと工夫するように気をつけています。
そのほか企画力やらマネージメント能力やらも求められますが、さくらだけで求められる能力ではないので省略します。
3年間を振り返って
もともとの経歴が地味なのと、営業職が初めてというのもあり、さくらに入ってからの3年は特に人生でも濃度の高い期間だったと思います。
ここで「会社に成長させてもらった」とか言うと今流行りの退職エントリっぽくなるのでやめますが、いろいろ経験は積ませてもらいましたし、これからも積みたいと思ってます。
特にさくらは自由な会社で「お前はこの仕事だけやっておけばいいんだ」みたいなことは言われませんので、いろんなことにチャレンジしていきたいですね。無理しない範囲で。
なお
もともと業務システム方面の経歴が長いので、このエントリは本来「Ansibleを使ってWindows Server上にIISを一発で立てる」みたいな技術寄りの話にするつもりだったのですが、WinRM周りがめんどくさすぎたのでやめました(負け惜しみ)。